『そろそろボクの話をしようか』は、平安末から現代まで、名もなき人々の暮らし——食べ物、言葉、信仰、衣服、道具——が、どのように生まれ、伝わり、変わり、やがて「文化」になっていったのかを、一話ずつたどる連作の物語です。
語り手は、歳をとらない「ボク」。千年のあいだ市井の人々のそばに居つづけ、彼らが何を食べ、何を着て、何を信じ、どんな言葉で笑ったのかを見てきた——という体で書かれています。歴史の主役ではなく、その脇にいた無名の人々の手つきを覚えている、最後のひとり。それが「ボク」です。
教科書には載らない、暮らしの小さな工夫——たとえば、ある婆さまの汁物の知恵や、旅人が持ち歩いた乾物の作り方——が、村から村へ、時代から時代へと渡っていくうちに、いつしか誰もが当たり前に使う「文化」になる。その一部始終を、物語として読めるかたちで残すことをめざしています。
ひとつの話を読み終えたとき、いま自分の手もとにある食べ物や言葉や道具が、たしかに誰かの工夫の積み重ねの果てにあるのだと感じてもらえたら——それが、このサイトのいちばんの願いです。
物語の場面・人物・会話は創作ですが、その背景にある歴史・風俗・技術は、書籍や史料にあたって考証しています。各話の末尾には、そのとき実際に参照した参考文献を、書名・著者・出版社・ISBNまで明記しています。掲載しているISBNは、実在する本のものであることを機械的に検証したうえで公開しています。
どこまでが史実で、どこからが創作なのか。その姿勢について、くわしくは「考証と参考文献について」にまとめました。
各話は独立して読めます。気になった題材から拾い読みしても、一覧を古い時代から順にたどっても構いません。ひとつの工夫が別の工夫へと枝分かれしていくつながりは文化の系統樹から、特定の題材をさがすなら検索から。はじめての方はプロローグからどうぞ。
運営者は BARA です。ひとつずつ題材を選び、文献にあたり、書いては直しながら、少しずつ話を増やしています。ご感想・ご指摘・事実誤認のお知らせは、お問い合わせフォームからお寄せください。いただいた指摘は、あとの回の考証に反映していきます。
新しい話の告知や、これまでの話のふりかえりは、X(旧Twitter)でも綴っています。@MyAncientTales どうぞ気軽にのぞいてみてください。
なお本作は、歴史的背景にもとづくフィクションです。物語としてお楽しみいただくとともに、正確な事実を確かめたいときは、各話末の参考文献にあたっていただくのが確実です。
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