ボクの足取り
商いを生業に、ボクは人の集まる地へ流れていきました。 千年のあいだにどの土地でどんな暮らしを見てきたか——地方ごとにたどれる索引です。 据えアンカー(各話の冒頭に置いた〔時代・所〕)から自動でまとめています。
全146話(公開分)。所を語らなかった話は末尾にまとめています。
山城(京)
68話- 平安のころ第42話十杯の乳を、ひとかたまりに煮つめる夏の竈〔都のはずれ〕
- 平安のころ第1話京のある家で、冠を納める箱には傷が五つあった〔京(平安京)〕
- 平安のころ第2話月は、まっすぐ見ないものだった、盃のなかでは〔京〕
- 平安のころ第14話一年に二度、紙の人のかたちへ汚れを移して流す日——長和五年、鴨の河原の大祓〔平安京(鴨の河原)〕
- 平安のころ第15話邸にただ一枚の鏡に、姫がはじめて見た顔——自分を見るのが、まだ稀だったころの鏡のこと〔平安京(西の京)〕
- 平安のころ第17話三百そろいの貝を、値と日限だけで注文した男がいた〔京(四条あたりの邸)〕
- 平安のころ第19話灯ひとつが、昼と夜を分けていた——油皿のあかりを惜しんで暮らした、夜がいちばん暗かったころのこと〔京の都〕
- 平安のころ第25話幾人の足を渡って、地に落ちなかった京の鞠〔京〕
- 平安のころ第28話吉凶を書きそえた暦にも、白いところが残っていた〔京〕
- 平安のころ第32話急いだ文と、待った文——同じ手から生まれた、二つの黒〔平安京〕
- 平安のころ第35話山の氷室から都の門まで、夜のうちに運ばれた、夏のひとかけら〔平安京〕
- 平安のころ第36話京の東の市に、歯の数だけを数える男がいた〔京(東の市)〕
- 平安のころ第39話一字書いては、三たび額づく——一字ごとに、三度、頭を下げていた人々のこと〔平安京(東のはずれの写経所)〕
- 平安のころ第41話黒と白の石が、いちばん静かだった遊びのこと〔京〕
- 平安のころ第45話東へ行くのに、なぜ人は南へ泊まりにいったのか——見も知らぬよそ者ひとりの言葉から〔平安京〕
- 平安のころ第46話京の西のはずれ、紅の屑をえり分ける子がいた〔京の西のはずれ〕
- 平安のころ第54話五つの塚と、名を残さなかった女房の掌〔京(平安京)〕
- 平安のころ第57話頭のてっぺんを隠す男たちと、三条の烏帽子折〔京の三条あたり〕
- 平安のころ第62話奇数の夜ごとに、人は灯をともして集まった——子の生まれた家に、産衣と祝い膳が通った話〔平安京〕
- 平安のころ第66話厨子のいちばん良い場所に、欠けた椀ひとつが据えられていた〔都(五条わたり)〕
- 平安のころ第69話鉄漿壺の見立てと、姫君の白い歯——鉄漿(かね)のはなし〔平安京〕
- 平安のころ第72話反古の山と、一枚の文〔平安京〕
- 平安のころ第73話借りた一冊の草子に、幾つもの手が重なっていた〔平安京(五条あたり)〕
- 平安のころ第84話安雄が編んでいたのは、竹と糸だけではなかった〔京〕
- 平安のころ第85話白い紙のひとがた——姫君が手を振った、もう一つの雛のこと〔平安京〕
- 平安のころ第89話浸すこと八度、たった一色が生まれるまで〔都の東の京〕
- 平安のころ第90話暑くもないのに、なぜ都じゅうが、示し合わせたように衣を替えたのか〔京の内裏〕
- 平安のころ第94話白い裳の陰で、幾たびも解かれていた赤い糸のこと〔平安京(貴族の邸)〕
- 平安のころ第97話壁は立てず、布を一枚だけ注文した——几帳のはなし〔平安京(西の京)〕
- 平安のころ第98話一枚の紙人形は、何を運び去ったのか——齢の節目を恐れた、古い習わしのこと〔平安京(左京)〕
- 平安のころ第100話東の市の隅、壺の底で指が日数を数えていた〔平安京(左京)〕
- 平安のころ第102話白い山の前で、指がさきに動いた、竈の子のこと〔平安京(左京)〕
- 平安のころ第104話窮屈な袍を脱いだ若君が、選んだあの一枚のこと〔平安京〕
- 平安のころ第105話沓の底に隠れた、もう一枚の白い布——「襪」のこと〔平安京〕
- 平安のころ第106話駆け出した若君の裾と、乳母がくぐらせた一本の紐〔平安京(左京)〕
- 平安のころ第107話陸奥から来た千寿丸と、宴の前の几帳七つ〔京(左京)〕
- 平安のころ第108話戸を、ひとり吊りあげる手——四十年、屋敷を起こし続けた老爺のこと〔平安京〕
- 平安のころ第109話二度、崩された溝——庭師とくと、庭のすみの谷川〔平安京(左京)〕
- 平安のころ第110話歌を人に頼むということ——三十一文字と、紙と枝の日々〔京(西の京あたり)〕
- 平安のころ第111話紙に色をのせ、香をたきしめ、花を添えて——恋文をこしらえた人々〔平安京〕
- 平安のころ第112話柳に紙を結び、火を落として、なお人を思う——凶を避けて身を慎んだ「物忌み」のこと〔東洞院あたり〕
- 平安のころ第113話祟りだ、と人々は門を閉ざした——疫病を運ぶ「祟る霊」を、祭りに変えて鎮めた都のこと〔京(平安京)〕
- 平安のころ第114話じゃら、じゃらと鳴る数珠と、母のひと晩の枕もと〔京(洛中)〕
- 平安のころ第115話脚をつけて、暮らしを箱の中へ畳んだ——衣も書も器も呑みこんだ、渡来の収納箱のこと〔平安京(左京)〕
- 平安のころ第116話円座——売る一枚と、継ぎ接ぎだらけの一枚〔西の京〕
- 平安のころ第117話米のとぎ汁が黒髪に艶を与える——泔坏を仕込む下働きの手〔京(東洞院あたり)〕
- 平安のころ第118話歌合の夜、引き分けと判じられた一首の裏に、幾度も書き潰した跡があった〔平安京(内裏)〕
- 平安のころ第119話海を渡ってきた音が、宮の調べになるまで——耳から耳へ手渡された、龍笛のひと息のこと〔平安京〕
- 平安のころ第120話車輪が軋んだ大路で、耳をすませていたのは小さな手だった〔京(平安京)〕
- 平安のころ第121話邸にこもっていた女が、はじめて山道を踏んだ〔山城(京から長谷へ)〕
- 平安のころ第86話築地塀の外に立つ母と、娘が書いた一枚の梶の葉〔都〕
- 平安のころ第13話乙丸の五本骨——かわほりの扇ひとつが仕上がるまで〔都〕
- 鎌倉のころ第75話冬の板間に立てた、継ぎはぎの明かり障子と経師の手〔京の町〕
- 鎌倉のころ第74話百八の珠と、疫病のあとの炉端に通ってきた里の母〔京の近郊の里〕
- 南北朝のころ第76話ひとつまみの甘さに、いかほどの値がついたか〔南都奈良〕
- 室町のころ第34話火鉢ひとつと、栗十粒、それから隣の爺さまの欠け皿〔京の町なか〕
- 室町のころ第49話俵の置き場にされかけた、桂川ほとりの一枚板の縁側〔京の近郊の村〕
- 室町のころ第64話京の寺の連歌の座、句を継いでいったある一夜〔京の寺の連歌の座〕
- 室町のころ第68話板を寄せて竹の輪で締めただけの、継ぎ目だらけの桶〔京の酒屋と桶屋〕
- 室町のころ第92話肌の下に隠れていた、袖の細い一枚〔京の町〕
- 室町のころ第122話羊のいない羊羹、禅寺の台所で重ねた十一度の作り直し〔京の禅寺〕
- 室町のころ第123話粉のほとんどを流し捨てて、なお椀に残った白い塊〔京の禅寺〕
- 室町のころ第53話京の門前町に現れた、よそ者又八の畳める灯り〔京の門前町〕
- 室町のころ第71話空っぽの一畳が、座敷でいちばん物を言う場所になった〔京の武家屋敷〕
- 室町のころ第128話借りものの屋形の襖に描かれた松〔京の屋形〕
- 室町のころ第70話藍に七度沈めても白いままの丸——焼け跡の小路に掛かった暖簾〔京の商家〕
- 室町のころ第80話花の一瓶をまえに、幾度も抜いては挿し直した男がいた〔京の寺と書院〕
- 安土桃山のころ第40話皮屋の小屋の梁から子がおろした、二枚の皮の切れ端〔京の片隅〕
武蔵(江戸・東京)
17話- 1122年第515話ボクは、田が街になるのを見ていた〔武蔵の川辺〕
- 江戸の半ばごろ第31話飛鳥山の午後に、毛氈の四隅へ石を置いた老人〔飛鳥山〕
- 江戸のころ第58話神田の長屋に、畳一枚を入れたおすみの算段〔神田の裏長屋〕
- 江戸のころ第141話底の透けたわらじを履き替えて、日本橋を発った飛脚〔日本橋〕
- 江戸のころ第144話長崎から来た硝子売りと、軒の鈴に首を振った本所の大家〔本所の裏店〕
- 江戸のころ第6話柘榴口の暗がりをくぐって、湯屋の二階へ上がる〔裏長屋〕
- 江戸のころ第3話八つの子が書いた三文字〔神田の裏長屋〕
- 江戸のころ第142話笠の下の二人連れと、灰の降った町の女房たち〔日本橋の往来〕
- 1832年第82話雨の日の下駄屋、勘右衛門の歯入れの手もと〔天保の下町〕
- 江戸のころ第23話行灯の火を米粒ほどにして針を運ぶ、神田の後家おさん〔神田の裏長屋〕
- 明治のころ第95話冬の寄り合い所、届出の列のいちばん後ろに立った平助〔東京近在の村〕
- 明治のころ第99話鉄の骨が八本のこうもり傘と、母の番傘〔東京の傘屋〕
- 明治のころ第21話郵便局の三軒先の軒下に、暮れの筆の台が出た〔東京〕
- 大正のころ第55話布にくるまれた一枚の盤と、縁の外に残った針の傷〔東京の町なか〕
- 大正のころ第51話場末の珈琲屋、隅の卓の男と煮出しの小鍋の湯気〔東京の場末の喫茶〕
- 1933年第12話続きは、またあした〔東京〕
- 昭和のはじめ第78話ラヂオ屋の銀次が屋根に線を張った冬、長屋は夕方の声を待った〔東京の裏長屋〕
近江
10話- 平安のころ第87話瓜十と豆ひと升で買った、半年ごしの一桶——近江の湖べりの取り決め〔近江の湖のほとり〕
- 平安のころ第103話若狭の浜で、あみが鯖を糸のように裂いていた〔若狭から近江への道〕
- 室町のころ第38話都から石臼を引いてきた男と、挽きたての青い粉〔近江の湖のほとり〕
- 室町のころ第138話七頭の列のうち縄を一本だけ切った、湖から京へ米を運ぶ峠道〔近江から京への街道〕
- 室町のころ第60話七日踏み固めた土と、穂を結ぶ縄のある村の秋〔近江の村〕
- 室町のころ第50話禅寺の裏木戸に積まれた、幾つもの崩れた白い塊〔近江の寺とその門前〕
- 室町のころ第124話臼を回しつづけた老女の指と、一椀のゆくえ〔近江の在所〕
- 室町のころ第131話柱に刻まれていく、六十日ごとの一筋〔近江の在所〕
- 室町のころ第133話伝助の楔と、大鋸の朝〔近江の杣〕
- 室町のころ第139話半値で売る辻の油と、桝の縁に札を打つ店〔近江の宿場〕
関東・甲信
7話- 平安のころ第77話峠のふもとで分けた、白く乾いた一にぎり——旅人が腰から離さなかったもの〔東山道(信濃路)〕
- 鎌倉のころ第125話渋柿を軒に吊るせと言った、よそ者の男〔東国の村里〕
- 南北朝のころ第91話仏師が幾日もかけて、白木の板に名を彫っていた工房〔東国の禅寺とその里〕
- 室町のころ第44話信濃の山家に、囲炉裏を拵えてもらった、そのひと冬〔信濃の山里の農家〕
- 室町のころ第37話捨てるはずだった煮豆が、藁苞のなかで糸を引いていた〔信濃の山あいの村〕
- 室町のころ第63話山あいの村で、豆を煮る八郎太の釜と二夏越しの壺の蓋〔信濃の山あい〕
- 戦国のころ第8話平四郎が杉板に描いた、神さまへの一頭の馬〔信濃の山あいの村〕
摂津(大坂・堺)
6話相模(鎌倉・横浜)
6話大和(奈良)
5話山陽・西国
1話四国
1話尾張・美濃
1話その他の地
17話- 平安のころ第61話山あいの母が選んだ三言〔山あいの里〕
- 平安のころ第101話唐菓子は、頼んだ数より、いつも三つ多く仕上がった〔東の寺)〕
- 鎌倉のころ第59話雨やどりの寺で、鶴丸は四十七の小石を並べた〔里の寺〕
- 鎌倉のころ第24話村のはずれの石の根に、草鞋が掛かっていた〔街道の里〕
- 鎌倉のころ第127話脛に巻いた一筋の布が、歩く人の足を守り、遠い土地まで運んでいった日のこと〔東海道の宿〕
- 室町のころ第81話継ぎの上に、なお白い糸を刺す雪の里の夜〔雪の里〕
- 室町のころ第7話山あいの寺で、夜明け前に鐘楼へのぼる、ひとりの男〔ある寺と門前の町〕
- 室町のころ第33話銀杏の枝に掛けられた、旅の尼の地獄絵と極楽絵〔村の寺の境内〕
- 室町のころ第137話九枚の絵を綴じて里へ納める、手彩色の薄い一冊〔京と近郊の里〕
- 室町のころ第130話一軒の屋根を葺くために村じゅうが寄り合った、あの草の重なりのこと〔北の山あいの村〕
- 戦国のころ第88話七たび沈めた白布と、甕の泡〔在郷の染め場〕
- 戦国のころ第9話太鼓の台の縄と灯籠と、息子の草履を抱いた老婆〔盆地の村〕
- 戦国のころ第93話枡の線を踏んで出る足と、背に弟をくくった子〔荒れた村の空き地〕
- 江戸のころ第47話暮れの橋のたもとで売られていた、七人乗りの宝船〔正月〕
- 江戸のころ第10話晦日の辻の屋台、左の端に伏せてある欠けた丼〔寛政の市中〕
- 江戸のころ第143話夜明け前の店先の鉢の列と、苗を二百抜いて七つ残した植木屋〔入谷の植木職のあたり〕
- 大正のころ第26話一反の薔薇の銘仙と、祖母の袖口に残る縫い目〔町の呉服店〕