竈かまど
物語のなかに10回あらわれることば
土や石で築き、上に釜や鍋をのせて火を焚き、煮炊きをする設備。「へっつい」とも。
ことばの由来
語源は諸説あり定かでない。古くは竈神(かまどがみ)・荒神が宿る場として信仰され、一家の象徴ともされた。「へっつい」は近世以降に広まった異称と伝わる。
[参考文献]石毛直道 『日本の食文化史——旧石器時代から現代まで』岩波書店
この語が息づく話
- 07ひとつの鐘の音が、町じゅうの朝を、いちどに揃えていった日のこと
- 29最後に食べたいと、老婆は言った
- 43年の暮れ、臼の音が里じゅうに鳴りわたった日のこと
- 77水につければ、飯は旅立ちの朝にもどった——干した米が運んだ、いちばん古い「即席めし」のこと
- 101仏に供えた甘みが、子の口へ落ちてくるまで——油で揚げた渡来の菓子が、人の祝いごとになった話
- 102白い飯は、炊くのでなく蒸すものだった——甑の湯気がハレを運んだ、固い飯のこと
- 112門に札を貼り、灯を落として、ただ一日をやり過ごす——凶を避けて身を慎んだ「物忌み」のこと
- 117米のとぎ汁で、髪は艶をとりもどした——黒髪を命とした世の、ある朝の身づくろいのこと
- 122羊の汁と呼ばれた点心が、肉を捨て豆を煮固めて、茶のかたわらの甘味になっていった日のこと
- 123小麦の蒂だけを取り出した白い食が、肉を断つ寺の膳から里の祝いの椀へ移っていった日のこと
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。