女房にょうぼう
物語のなかに10回あらわれることば
平安時代、宮中や貴族の邸に仕え、主人に近侍して身のまわりの世話や取次をつとめた女官。
ことばの由来
宮中で仕える女性に与えられた個室(房・局)を「房」といい、房を賜って勤める女性の意から「女房」と呼ばれたとされる。後世に転じて「妻」の意でも用いられるようになった。
[参考文献]川村裕子 『平安女子の楽しい!生活』岩波書店/服藤早苗 『平安朝 女性のライフサイクル』吉川弘文館
この語が息づく話
- 17合わせてみれば、答えはもう貝が知っていた——蛤の殻でさがした、たったひとつの片割れのこと
- 37捨てるはずの煮豆が糸を引いた朝、誰もそれを食おうとはしなかった話
- 41黒と白の石だけで、盤の上に国境を引く——男も女も向きあえた、平安の静かな遊びのこと
- 63甕の底で、待っていた味
- 66扉を開けば、それは「しまう」ではなく「飾る」になった——書物と調度を納めて誇った、厨子という棚のこと
- 72声が、そのまま紙にのった日——漢字をくずして生まれた、やわらかな女手のこと
- 73写し間違いごと、物語は旅をした——刷る術のない頃、一冊の草子が手から手へ渡っていったこと
- 104野で身軽に動くための一枚が、御殿のくつろぎ着になるまで——「狩衣」と呼ばれた普段着のこと
- 110言わずに言う、というやり方——三十一文字を返し合って、人は想いの行き来を覚えた
- 117米のとぎ汁で、髪は艶をとりもどした——黒髪を命とした世の、ある朝の身づくろいのこと
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。