御簾みす
物語のなかに9回あらわれることば・ある話の主役の題材
細く割った竹を編み下げ、寝殿造の屋内や簀子との境に掛けて空間を仕切り、貴人や女性の姿を隠した簾。
ことばの由来
すだれを意味する「簾」に、敬意を添える接頭語「御(み)」を冠した語とされる。宮中や貴人の用いる簾を敬っていう呼び名から広まったと説明される。
[参考文献]川本重雄 『寝殿造の空間と儀式』中央公論美術出版/池田亀鑑 『平安朝の生活と文学』ちくま学芸文庫
この語が息づく話
- 35山の奥の闇に夏まで眠っていた氷を、姫君のひと匙のために、汗だくで都へ運んだ日のこと
- 41黒と白の石だけで、盤の上に国境を引く——男も女も向きあえた、平安の静かな遊びのこと
- 84その薄い一枚は、外から内を隠し、内から外を残らず見せていた
- 90暑くもないのに、なぜ都じゅうが一日で夏の衣に着替えたのか
- 97壁を立てず、布で部屋をこしらえた——几帳の陰が、人と人の「間」をつくっていたころ
- 107壁のない広間に、几帳を一つ立てれば、そこが部屋になった——間仕切りで暮らしを区切った、住まいの「あいまいさ」のこと
- 108光と風は、跳ね上げて招くもの——格子の戸を吊って開けた、ある夏の屋敷のこと
- 118負けた歌に、人はなぜ涙したのか——左右に分かれて優劣を競った夜が、和歌を磨いていったこと
- 121籠りがちな女が、はじめて山道に出たとき——祈ることと旅することが、ひとつになった日のこと
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。