乳母めのと
物語のなかに12回あらわれることば
生母に代わって乳を与え、貴人や武家の子を養い育てる役をつとめた女性。
ことばの由来
「乳(ち)の母」の意で、乳を与えて育てる母親代わりの女をさす。古くは「めのと」と読み「乳人」とも書き、「うば」の読みもある。
[参考文献]服藤早苗 『平安朝 女性のライフサイクル』吉川弘文館/川村裕子 『平安女子の楽しい!生活』岩波書店
この語が息づく話
- 01京のある家で、冠を納める箱には傷が五つあった
- 15邸にただ一枚の鏡に、姫がはじめて見た顔——自分を見るのが、まだ稀だったころの鏡のこと
- 39一字書いては、三たび額づく——一字ごとに、三度、頭を下げていた人々のこと
- 45東へ行くのに、なぜ人は南へ泊まりにいったのか——見も知らぬよそ者ひとりの言葉から
- 62奇数の夜ごとに、人は灯をともして集まった——子の生まれた家に、産衣と祝い膳が通った話
- 72反古の山と、一枚の文
- 73借りた一冊の草子に、幾つもの手が重なっていた
- 84安雄が編んでいたのは、竹と糸だけではなかった
- 85白い紙のひとがた——姫君が手を振った、もう一つの雛のこと
- 106駆け出した若君の裾と、乳母がくぐらせた一本の紐
- 108戸を、ひとり吊りあげる手——四十年、屋敷を起こし続けた老爺のこと
- 117米のとぎ汁が黒髪に艶を与える——泔坏を仕込む下働きの手
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。