甕がめ
物語のなかに14回あらわれることば
水・酒・味噌・漬物・染液などをたくわえる、口の広い大型の素焼き・陶製の器。
ことばの由来
「かめ」の語源は諸説あり明らかでない。「瓶」とも書き、須恵器以来の大型貯蔵容器として、発酵・醸造や染め物などに古くから広く用いられてきたとされる。
[参考文献]小泉武夫 『醤油・味噌・酢はすごい——三大発酵調味料と日本人』中央公論新社
この語が息づく話
- 02月は、まっすぐ見ないものだった、盃のなかでは
- 11三輪の里の縄に結ばれた印は、何を数えていたのか
- 18戸口に残された、青みがかった石
- 42十杯の乳を、ひとかたまりに煮つめる夏の竈
- 43たねの家の二升の糯米と、暮れの里に鳴る臼の音
- 45東へ行くのに、なぜ人は南へ泊まりにいったのか——見も知らぬよそ者ひとりの言葉から
- 70藍に七度沈めても白いままの丸——焼け跡の小路に掛かった暖簾
- 76ひとつまみの甘さに、いかほどの値がついたか
- 88七たび沈めた白布と、甕の泡
- 89浸すこと八度、たった一色が生まれるまで
- 104窮屈な袍を脱いだ若君が、選んだあの一枚のこと
- 122羊のいない羊羹、禅寺の台所で重ねた十一度の作り直し
- 126擦り切れた古い一枚に、寸分違わず仕立てる新しい直垂
- 136門前の酒屋の土間で、客が替わっても同じ間で沸いた二人の口まね
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。