粥かゆ
物語のなかに16回あらわれることば
米などの穀物を多めの水でやわらかく煮た食べもので、病人食や斎(とき)、日常の朝餉など幅広く用いられてきた。
ことばの由来
穀物を水で煮る調理は古く、炊飯が広まる以前の米の食べ方の基本のひとつだったとされる。水を多くした「汁粥」と、固く炊いた飯に近い「固粥」の別が古代の文献にも見え、後者が今日の飯へつながったと伝わる。宮中や寺院の行事食としても重んじられた。
[参考文献]原田信男 『日本料理史』講談社学術文庫/渡辺実 『日本食生活史』吉川弘文館
この語が息づく話
- 18戸口に残された、青みがかった石
- 29最後に食べたいと、老婆は言った
- 42十杯の乳を、ひとかたまりに煮つめる夏の竈
- 43たねの家の二升の糯米と、暮れの里に鳴る臼の音
- 45東へ行くのに、なぜ人は南へ泊まりにいったのか——見も知らぬよそ者ひとりの言葉から
- 59雨やどりの寺で、鶴丸は四十七の小石を並べた
- 69鉄漿壺の見立てと、姫君の白い歯——鉄漿(かね)のはなし
- 79椀の底の飯粒ひとつを、指先でぬぐっていた鎌倉の老いた飯炊き
- 81継ぎの上に、なお白い糸を刺す雪の里の夜
- 83親方と呼んだ子の、しわだらけの手
- 87瓜十と豆ひと升で買った、半年ごしの一桶——近江の湖べりの取り決め
- 98一枚の紙人形は、何を運び去ったのか——齢の節目を恐れた、古い習わしのこと
- 103若狭の浜で、あみが鯖を糸のように裂いていた
- 112柳に紙を結び、火を落として、なお人を思う——凶を避けて身を慎んだ「物忌み」のこと
- 124臼を回しつづけた老女の指と、一椀のゆくえ
- 131柱に刻まれていく、六十日ごとの一筋
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。