草鞋わらじ
物語のなかに16回あらわれることば
藁を編み、緒を足首に結わえつけて履く履物。草履より足をしっかり固定でき、旅や野良仕事など長い歩行に用いられた。
ことばの由来
藁を主材とする履物で、名は「藁沓(わらぐつ)」が転じた形とも、「藁+履(じ)」からともいわれるが、確かな語源は分かっておらず諸説ある。
[参考文献]宮崎清 『図説 藁の文化』法政大学出版局/宮本常一 『民具学の提唱』未來社
この語が息づく話
- 05西国三十三所、旅人たちが道々に残した草鞋の山
- 11三輪の里の縄に結ばれた印は、何を数えていたのか
- 16叱るとき頬をぷうとふくらませる、酒屋の隅の女
- 24村のはずれの石の根に、草鞋が掛かっていた
- 44信濃の山家に、囲炉裏を拵えてもらった、そのひと冬
- 70藍に七度沈めても白いままの丸——焼け跡の小路に掛かった暖簾
- 75冬の板間に立てた、継ぎはぎの明かり障子と経師の手
- 77峠のふもとで分けた、白く乾いた一にぎり——旅人が腰から離さなかったもの
- 81継ぎの上に、なお白い糸を刺す雪の里の夜
- 109二度、崩された溝——庭師とくと、庭のすみの谷川
- 114じゃら、じゃらと鳴る数珠と、母のひと晩の枕もと
- 121邸にこもっていた女が、はじめて山道を踏んだ
- 127脛に巻いた一筋の布が、歩く人の足を守り、遠い土地まで運んでいった日のこと
- 132海道の宿で縫った、藍の布袋と三寸の木の札
- 135遅い足で板を渡った男と、春の社頭に集まった人垣
- 146今橋の店先で天秤の皿に載った、旅商人の銀の包み
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。