煤すす
物語のなかに19回あらわれることば
物が燃えるときの煙に含まれ、天井や壁などに付着する黒い炭素の微粒子。墨の原料にもなる。
[参考文献]大内正伸 『囲炉裏と薪火暮らしの本』農山漁村文化協会/宇野雪村 『古墨の知識と鑑賞』二玄社
この語が息づく話
- 17三百そろいの貝を、値と日限だけで注文した男がいた
- 23行灯の火を米粒ほどにして針を運ぶ、神田の後家おさん
- 30土佐の宇佐の浜で、煤けた小屋の三本の節に付いた三つの値
- 32急いだ文と、待った文——同じ手から生まれた、二つの黒
- 34火鉢ひとつと、栗十粒、それから隣の爺さまの欠け皿
- 40皮屋の小屋の梁から子がおろした、二枚の皮の切れ端
- 52山ひとつぶんの蔦を巡って、椀半分の甘さにするまで
- 61山あいの母が選んだ三言
- 70藍に七度沈めても白いままの丸——焼け跡の小路に掛かった暖簾
- 81継ぎの上に、なお白い糸を刺す雪の里の夜
- 83親方と呼んだ子の、しわだらけの手
- 96瀬戸の山あいで、偏屈な宗吉が焚いた窯と青い釉
- 102白い山の前で、指がさきに動いた、竈の子のこと
- 103若狭の浜で、あみが鯖を糸のように裂いていた
- 123粉のほとんどを流し捨てて、なお椀に残った白い塊
- 128借りものの屋形の襖に描かれた松
- 130一軒の屋根を葺くために村じゅうが寄り合った、あの草の重なりのこと
- 139半値で売る辻の油と、桝の縁に札を打つ店
- 142笠の下の二人連れと、灰の降った町の女房たち
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。