筵むしろ
物語のなかに21回あらわれることば
藁や菅・藺草を編んだ敷物。床に敷いたり物を包んだり干したりと、庶民の暮らしに広く使われた粗末な敷物。
ことばの由来
「席」とも書き、編み並べて敷く意からとする説があるが、語源には諸説あって定まっていない。
[参考文献]宮崎清 『図説 藁の文化』法政大学出版局/宮本馨太郎 『民具入門』慶友社
この語が息づく話
- 01京のある家で、冠を納める箱には傷が五つあった
- 04浜の火で二晩煮つめた塩と、海を知らぬ山あいの里
- 16叱るとき頬をぷうとふくらませる、酒屋の隅の女
- 31飛鳥山の午後に、毛氈の四隅へ石を置いた老人
- 36京の東の市に、歯の数だけを数える男がいた
- 40皮屋の小屋の梁から子がおろした、二枚の皮の切れ端
- 47暮れの橋のたもとで売られていた、七人乗りの宝船
- 74百八の珠と、疫病のあとの炉端に通ってきた里の母
- 77峠のふもとで分けた、白く乾いた一にぎり——旅人が腰から離さなかったもの
- 87瓜十と豆ひと升で買った、半年ごしの一桶——近江の湖べりの取り決め
- 97壁は立てず、布を一枚だけ注文した——几帳のはなし
- 99鉄の骨が八本のこうもり傘と、母の番傘
- 100東の市の隅、壺の底で指が日数を数えていた
- 103若狭の浜で、あみが鯖を糸のように裂いていた
- 124臼を回しつづけた老女の指と、一椀のゆくえ
- 130一軒の屋根を葺くために村じゅうが寄り合った、あの草の重なりのこと
- 131柱に刻まれていく、六十日ごとの一筋
- 132海道の宿で縫った、藍の布袋と三寸の木の札
- 135遅い足で板を渡った男と、春の社頭に集まった人垣
- 138七頭の列のうち縄を一本だけ切った、湖から京へ米を運ぶ峠道
- 139半値で売る辻の油と、桝の縁に札を打つ店
※ 語の読みは本文の振り仮名から、登場話は本文から機械的に集めています。定義・由来は出典を確かめたうえでそえています。